2011年6月27日星期一

「JOGA」っていうオンラインゲームの団体は,一体何をしているんだろう?――JOGAに直接聞いてみた

「JOGA」っていうオンラインゲームの団体は,一体何をしているんだろう?――JOGAに直接聞いてみた

オンラインゲーマーであれば一度くらいはその名を聞いたことがあるであろう「JOGA」。日本オンラインゲーム協会(Japan Online Game Association)のことだ。なんかこう,業界団体っていうと,おじさんが月に1回くらいぼんやりと顔付き合わせて会議してるだけというイメージもあるわけだが,オンラインゲーム業界の華々しい表舞台にもあまり登場しないし,オンラインゲーム業界でゆゆしき問題が起こったときにも表にはほとんど出てこない。実際のところ,JOGAは何をしているんだろう?
 ちょうど先頃,JOGA後援の「ハッキング事例及び対策/セキュリティ動向セミナー」が開かれたことだし,そもそも2月にイメージエポックの御影社長がした「アイテム課金に規制が入る」という趣旨のツイートについて聞いてみたかったこともあり,今回はJOGAという業界団体にライトを当ててみようと思った次第だ。
 一般読者のみなさんにはもしかしたらあまり興味がない話かもしれないが,オンラインゲームを取り巻く環境の一端を担う業界団体について知っておいても損はないと思う。ぜひご一読いただきたい。
4Gamer:
 さて,4月12日にJOGA(日本オンラインゲーム協会)の「オンラインゲーム会社向けハッキング事例及び対策/セキュリティ動向セミナー」が開かれますが,ふと考えてみたら,JOGAという団体のことを思ったよりも知らないことに気付いたので,「直接聞いてみればいいや」とばかりに,お声がけさせていただきました。
日本オンラインゲーム協会会長 植田修平氏
植田修平氏(以下,植田氏):
 はい,よろしくお願いします。確かにあんまり派手な告知とかしないですしね。
4Gamer:
 業界団体ですしね。
 というわけで,JOGAという業界団体がどういうもので,オンラインゲーム業界の中でどういうことをしているのかについてのお話と,オンラインゲームの諸問題に関するJOGAの見解,という感じでお聞かせいただきたい,と思っています。
植田氏:
 2月の御影氏のツイート近辺でも話題になりましたが,お客様と我々の間,お客様同士など,オンラインゲームについてさまざまなトラブルがあるのは,むろん把握しています。とはいえ我々JOGAは――というか我々JOGAこそが――健全な業界発展が望ましいと思っており,各種の問題に対していろいろな取り組みを行っているというのも,せっかくですので紹介できると嬉しいです。
4Gamer:
 業界の中にいてさえ,我々のようにパブリッシャー業務を行っていない組織だと,JOGAという団体が具体的に何をやっているのかキチンと把握できていませんし,恥ずかしながらちゃんと調べたこともありません。おそらくは読者のみなさんの多くもそうでしょう。メディアも,ちゃんとJOGAについて記事にしたことはなかった気がします。
 というわけでまずは,JOGAはいつごろどういう経緯で作られたのかという部分と,掲げる目的を改めて説明していただけると。
日本オンラインゲーム協会事務局長 川口洋司氏
川口洋司氏(以下,川口氏):
 JOGAの元々のスタートは,関東近県のコンテンツ&ITベンチャーの支援からでした。経済産業省の産業クラスター計画というのがあって,そこに,新しいコンテンツ&ITビジネスのベンチャーを支援する目的の勉強会があったんです。ちょうどブロードバンドの時代が到来し,韓国でオンラインゲームの産業が成立して,日本でも近い将来そういう状況になるだろうと予想して,オンラインゲームをテーマにした勉強会をやりましょう,ということになりました。
4Gamer:
 話の内容からして,日本でオンラインゲームの会社が増えだしたあたりですね。
川口氏:
 そう,2003年くらいです。
 まさに今おっしゃられたように,そのころ国内にもオンラインゲーム会社ができ始め,その辺りが中核になった「オンラインゲームフォーラム」というものが,2004年にできあがりました。そこで色々な問題を解決していきましょうとなったのが,JOGAの始まりですね。
 とはいえ当初は問題解決というよりも,時代も時代ですし,マーケットをどうやって大きくしていこうか,といった課題を協議したり情報を共有する場でした。
4Gamer:
 2003年とか2004年っていうと,まだオンラインゲーム業界は「ほんの走り」でしかなかったですね。RO(ラグナロクオンライン)があったかな,くらいの。
植田氏:
 本当にそんなころです。ROとかリネージュくらいですかね。ゲームポットがサービスをスタートしたのが2004年のパンヤからですし。
4Gamer:
 当時そのフォーラムは何社くらいで始まったんですか?
川口氏:
 せいぜい10社くらいだったと思います。NHNさんとかゲームオンさん,それからガンホーさんやゲームポットさん,ガマニアさん……。
4Gamer:
 業界の黎明期から存在する,名だたる会社が一通りですね。
川口氏:
 そうですね。そこで,情報共有目的をメインに活動を始めました。
 当時一番大きかった活動は,やはり融資や投資関連でしょうか。株式公開を目指そうにも市場規模が分からないから証券会社が動いてくれないという話もあり,それで我々が最初に市場調査を始めました。それも2004年でしたね。
植田氏:
 まぁ,なんというか,いま名だたる会社とはいえ当時は弱小ばっかりで,金融機関からお金を借りるにしても投資を受けるにしても……。
4Gamer:
 マーケットの指標がないとちょっと厳しいですよねえ。いくら「盛り上がるんです!」と熱っぽく力説したところで。
植田氏:
 ええ。なのでまず,そういうものを当時の主力メンバー達で作っていこうと。
4Gamer:
 そうやって今振り返ってみると,ずいぶん大きな役割でしたね。
植田氏:
 そうですね。とくに,PCのオンラインゲームにフォーカスしたレポートというのは,かつても今もほとんどないんですよね。もちろん,PS2とかXboxとかの「オンライン」の市場規模というのは野村総研さんとかから出ていたんですけど,ことPCに関してはまったくなくて。
川口氏:
 で,当時調べてみたところ,578億円ありました。
4Gamer:
 2004年当時ですか? すでに意外とありますね。
川口氏:
 ええ。そしてそのあたりを機に,各社さんが株式公開されたんです。
4Gamer:
 一時期続きましたね。
川口氏:
 また,当時インターネットでの「出会い系」などが社会問題化していたこともあり,インターネットのビジネスにおいては先手を打って市場環境を作っていかないと健全な市場にならないという不安もありました。オンラインゲームにおいては事業者が自主的に行動してしっかりした市場を作っていこうと。
 オンラインゲーム会社さんとJOGA(編注:当時のオンラインゲームフォーラム)は,そうやって二人三脚のスタンスでずっとやってきました。
 産業規模が大きくなってから「団体を作りましょう」といってできたものではなく,産業規模そのものが小さいころからみんなで一緒に活動してきたので,そこが,ほかの団体と違う点かもしれません。
植田氏:
 オンラインゲームという商品の性格上,海外との取り引きが非常に多いという部分もありまして,そこもJOGAが積極的にフォローアップしてきた部分です。小さい会社が自分達だけでおいそれとできるものではないですし。
4Gamer:
 それは「入」も「出」も両方ですか?
植田氏:
 ええ。海外企業とのマッチング全般です。2004年当時から,韓国のゲーム業界団体や台湾のゲーム業界団体と提携するという形で,定期的にビジネスの場を設けて,そこで商談会みたいなものを開いています。RMT
4Gamer:
 それは,産業規模がそれなりになった今でもやってますよね。
川口氏:
 JOGAは現在,韓国,台湾,シンガポール,フランス,ロシア,エジプトのゲーム関連団体と提携しています。昨年開催した,国産タイトルの海外へのライセンスアウトを目的としたマッチング会は,オランダ,ブラジル,フィンランド,アイルランド,中国など11か国のPCやモバイルのオンラインゲーム,ソーシャルゲーム会社が参加しました。

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